高齢者が食事を拒否した時、在宅で気を付けることは?
在宅介護を行っていると自宅での食事にも気を使わなければなりません。
高齢になると噛む力が弱くなり、飲み込む力も弱くなります。さらに認知症が進行してくると自分で食事をとるのが難しくなってくることもあります。
Contents
介護における食事拒否とは?
介護拒否は、認知症の周辺症状のひとつで「理解や判断力の障害」が主な原因だと
考えられています。
食事においては、食べ物を食べれる物だという理解が出来ない。食べるとういう行為が出来なくなっていることがあげられます。
それに加え、「時間・場所・人」分からなくなる「見当識障害」があると食事を食べたのに食べてない、逆に食べてないのに「さっき食べたばかりだ」と言い食事を食べようとしないという行動をする場合があります。
食事の拒否の症状と原因
食事拒否では、行動として以下ようなことがよくみられます。
- 配膳しても食べようとしない。
- 介助しようとしても口を開けてくれない。
- 口に食べ物を運んでも噛んだり飲み込もうとしない。
- 食べ物で遊んだり、お膳をひっくり返す、大声を出す。
- さっき食べた、食べる時間ではない。
原因として以下のことがあげられます。
原因
・食べ物だと認識できていない。
・食べるという行為が出来なくなっている。
・食べたい気分ではない。
・配膳された食事が好きではない。
・体調が悪い
食事拒否の対応方法
食事を食べてないと言う場合の対応方法
食事を食べてないと拒否する場合は、一度食事を下げて時間をおいて再度食事を促すのが一般的です。
時間をおいて家族で一緒に食卓を囲むと効果がある場合もあります。
どうしても食べないという場合は、「まだ食べてない」と直接的に言うと効果がある場合もあります。
朝・昼・晩の3食いずれも食べないと問題ですが、3食のうち1食くらいなら諦めて「おやつ」や「果物」などの本人の食べそうな軽くつまめる食べ物を食べてもらうのも手です。
本人が「食べたくないモード」に入っているため、スイッチを切り替えてあげるようなアプローチが必要です。
- 配膳した際の食器の位置を変えてみる。
- 食事場所を変えてみる。
- コミュニケーションをとってみる。
- 洗濯物たたみなどの作業をしてみる。
などの対応をしてみましょう。
また、出された食事が嫌いな食べ物だったというケースもあるので本人の嗜好を
把握しておく必要もあります。
食事を全然食べないで見るからに痩せていくような状況であれば、自宅で見れる状態ではないので病院受診をしたほうが良いでしょう。
食べ物を口の中にため込んでしまって飲み込もうとしない。
食べ物だと認識出来ない、食べる行為が出来なくなっている。という状態は、食事に関する介護で対応が一番難しいです。
食べ物を認識できなくなっている可能性が高いため、介護拒否の対応ではなく、身体介護になってきます。
食べ物を認識出来ないので口を開けない、口を開けても口の中にため込んでしまう。
という反応がみられます。
食事形態の工夫や本人が好きだった食べ物をだすと反応して食べる場合があります。
また食前に口の中をアイスマッサージを行ってみるなどしてみるといいでしょう。
食事を食べる量が著しく少ない場合は、病院を受診する必要があります。
その際、経管栄養になる可能性があることを覚悟しなければなりません。
体調が悪く食べない場合もある
体調が悪く食事を食べようとしない場合があります。認知症があり体調不良を訴えることが
出来ないこともあり
- 体温、血圧などのバイタル測定を行う。
- 顔色が悪くないか、表情が暗くないか。
- 義歯(入れ歯)が合わなくて歯が痛い
など普段となにか違うところはないか観察する必要があります。
体調不良が原因で食事を食べない場合は体調が改善すると食事を食べるように
なることが多いです。
まとめ
冒頭でも述べた通り、食事を摂取することは健康維持・生命維持に必要なことです。
食事を拒否しつづけて食べない状態を改善しないといけません。
忙しい中で食事を食べないとなるとイライラする気持ちも分かります。
食事を拒否するのには何かしらの原因がありますので多角的になにかあるのでは
ないか?という疑問をもつことが必要です。
介護する側の知識や柔軟な発想からくる対応が拒否の改善につながることもあります。
自宅での食事への対応はとても大変です。対応に疲れてくる前に役所の介護課や地域包括支援センターに相談することをおすすめします。
また、老人ホームへの入所を検討するのも手段のひとつです。